カルチャーショックについて
更新日:2024年11月1日
カルチャーショック
海外で異なる食べ物や習慣、言語などに触れたとき、誰でもある種の「カルチャーショック」を体験します。カルチャーショックとは、不慣れな外国で生活や仕事をすることに対する身体的、心理的、行動的反応です。特に問題なく溶け込むことができる人もいれば、大きなストレスを抱える人もいます。カルチャーショックは病気ではありません。カルチャーショックについて事前に知っていればその影響を最小限に抑えることができます。ここでは、カルチャーショックを4段階で表した異文化適応曲線(U字曲線)について説明します。
異文化適応の過程
第1段階:ハネムーン
新しい環境への期待を胸に抱いているこの時期は、異文化社会で起こりうるネガティブな問題よりもポジティブな側面に着目する傾向があります。
第2段階:カルチャーショック
異文化をさらに実感していくうちに、以前は刺激的で楽しいと感じた日常生活にストレスを感じるようになるかもしれません。日々、新しい文化や言葉を理解しようと努力していたことが精神的な疲労の原因ともなります。小さな問題が積み重なって大きな悩みとなり、結果として挫折や時には自信喪失へつながることもあります。孤立感を感じ、表に出ることを避けるようになり、慣れ親しみのある人や食生活へよりどころを求めるかもしれません。
第3段階: 回復
家事や買い物といった日常的な事はもう大きな問題ではなくなっています。抵抗なく自己表現できるようになるでしょう。
第4段階: 適応
この時期までに、様々な状況でのやりとりで自分の成長を感じているでしょう。語学力も上がり、多くの日本文化を違う視点から受け入れることができ、日本人や日本語に親しみを覚えるかもしれません。日本の社会に所属しているという意識すら持っているかもしれません。二つの文化に溶け込んでいる状態です。
注意:全ての人が同じように経験するものではありません。
リバースカルチャーショック
日本の文化や生活習慣に慣れた後に自分の国へ戻ると、その現実に溶け込むことが大変だと感じるかもしれません。日本にいる間に、教職員の多くは、自分の文化的アイデンティティーを再度模索したり、ライフスタイルや価値観、自分の国への思いなどの面で大きな変化があるかもしれません。帰国後、多くの面で自分が認識していたことと違うかもしれません。日本をより好意的に感じる一方で、自分の国を批判的に見てしまうかもしれません。これを「リバースカルチャーショック」といい、異文化適応過程と同じように、個人差があり、特に問題がない人もいれば、想像もしていなかった苦悩を感じる人もいるでしょう。
ここでは、帰国後の再適応過程について説明します。再適応の過程には、下記のような段階があると考えられています。
第1段階: 離脱
帰国に伴い、帰ってからのこと、日本での生活や友達との別れについて考え始めます。ホスト文化を離れる心の準備をする段階で、帰国したくないと思うことがあるかもしれません。
第2段階:多幸感
期待感にあふれて帰国し、家族や友人との再会を喜びあう楽しい時間を経験するかもしれません。家族や友人は、あなたの日本での話に耳を傾けますが、すぐに日常の話題に関心が移り、あなたが期待していたほどあなたの日本での経験に対して関心を示さないと感じるかもしれません。
第3段階: 逆カルチャーショック
当初の幸福感は冷め、自分の国にいるのにまるで部外者のように感じるかもしれません。自分の生まれ育った国や街が以前とは変わってしまったように見えることもあるでしょう。期待と現実のギャップで、不満や疎外感を感じたり、家族や友人と誤解し合うようなことが起こるかもしれません。
第4段階:再適応
この段階では、徐々に故郷の生活に再適応していくでしょう。友人、家族、様々な環境に溶け込み、社会に再適応したことを感じられるかもしれません。この段階に至ると、多くの人は二つの国の良い面と悪い面の両方を実感し、よりバランスの取れたものの見方ができるようになります。
注意:全ての人が同じように経験するとは限りません。